ホントにあった不思議な話【第4話】

帰り道 ホントにあった不思議な話

キーンコーンカーンコーン・・・・・

先生さようなら、皆さんさようなら。

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放課後

いつもの放課後。

「一緒に帰ろ~」

「うん。帰ろ~」

皆がバラバラ教室から出ていき、私も友達と帰ろうとしていました。

『・・・・。』

「ん?何か言った?」友達に聞いた私。

「何も言ってないよ。」と友達が答えた。

『・・・・・・。』

やっぱり何か聞こえる気がする。と感じた私は、なんとなく頭の中で集中した。

『今、、、帰ってはいけない・・・』

「!!!」

聞こえたと言うより感じたと言った方がいいかもしれません。

私は、その感じた言葉を素直に聞き入れ、

「鉄棒少しして帰ろ~ 」と友達に言いました。

友達も「うん」と言ってくれたので、時間を少しつぶして帰る事になったのです。

帰り道

私達の小学校は、車通りの少ない道が通学路になっていたので、少し遠回りになります。

それでも、家まで20分ぐらいでしょうか。

半分まで来た時、川沿いの一本道で、ある異変に気付きました。

50メートルほど先に、友達が見えたのですが、男の人に手を引っ張られ歩いている姿でした。

なんとなく違和感を感じていたのですが

「家族の人が迎えに来たのかな?」と一緒に帰っていた友達。

「う~ん・・・」

少し間が開いた後、助けなきゃ!と思ったのです。

友達の名前を叫びながら、前の方を歩いている友達の所に走って行く私の後ろを、

一緒に帰っていた友達も、つられて走っていました。

見知らぬ男

近づいていくと、友達が泣いている事に気付きました。

「エッ?!」とついてきている友達が一瞬戸惑っていたんですが、

「行くよ~。早く、早く、」

私達が大きな声で友達の名前を呼んで走ってくる事に気付いた男は、友達の手を放して走って逃げていきました。

泣きじゃくっている友達。

よほど怖かったんだと思います。

落ち着くまで少し時間がかかりましたが、何があったのか聞くことが出来ました。

男の行動

1人で帰っている友達に、近所にあるお店の場所を聞いてきたそうです。

その場所は、私たちが通学路で利用しない車通りの多い通りにあるお店で、友達は場所だけ教えたそうです。

子供の私たちでさえ、教えてもらったらすぐに行ける距離。

その男は、友達に「わからんから、一緒に行こ」と言ったそうです。

何かおかしいと思った友達は「早く帰らないとお母さんが待ってるから」と逃げようとしたんですが、

男に手を引っ張られ、無理やり連れて行かれそうになっていた所に、私たちが来たそうです。

私と一緒に帰っていた友達は家が近所なので、遠回りになるけど送っていこうと言う事になり、泣いていた友達を家まで送る事にしました。

その後

家に着いた私は、母親にそのことを話し、母は学校にその事を伝えました。

学校側は、3人の母親から連絡を受けたので、ビックリした事でしょう。

それから、しばらくの間は、1人では絶対に下校しない様に全生徒に伝えられ、

下校時間になったら、先生たちが人通りの少ない箇所に立っていました。

友達を連れて行こうとしていた男の目的が何だったのか分かりませんが、

私は帰り間際に感じた声に助けられたんだと思いました。

それから、変な人が現れる事もなく、いつの間にか普通の登下校が始まっていました。

怖がっていた友達も何もなくてよかったと今でも思います。

人には第6感があると言われていますが、このころの私はまだまだ子供の不思議な力があったのかもしれません。

 

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